この電車は、アムトラックのなかでも10位内に入る短距離路線で、オクラホマシティのダウンタウン、ブリックタウンすぐそばのサンタフェ・デポ駅を朝出て、夜戻ってくる1日一往復の運航です。
片道4時間。ですが、他社貨物の線路を利用しているので、定刻に出発しても、到着が1時間くらい遅れることもよくあります。
サンタフェ鉄道時代の駅舎をそのまま利用していて、SANTA-FEの看板もそのまんま。
地元の人は、オクラホマシティ駅とは言わずに、サンタフェ・デポと呼んでいます。
オクラホマシティを8:25AM発。
事前にアムトラックのサイトやアプリで予約を入れます。
片道31ドル。変更可能な51ドルのチケットもあります。
中に入ると、アールデコ調のエレガントな空間。高い天井に吊るされたランプの穏やかな橙色の光が朝陽と融和しています。
駅舎内には、カフェも券売機もありませんので、事前に用意が必要です。
車内でも、飲み物やサンドウィッチ、スナックは買えます。
ガード下を通り抜けると、OKC最大の繁華街ブリックタウンです |
再開発中のOKCダウンタウンは、かつて物騒な落書きばかりだった壁にも、歴史や文化をテーマにした壁画が描かれて、どんどんきれいに整備されてて来ています。
出発30分前になるとホームに上がる階段が解放されます。
階段を上がったところに立っている駅員が、事前に購入したきっぷのバーコードをスキャンして、何号車に乗ればよいのか指定してくれます。
清潔ですが、古めの車両 |
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足元は広々~、ほんと快適です |
フットレストに届かない、日本人の足 汗 |
私が乗ったのは平日で座席の埋まり具合は半分ぐらいといった感じでしたが、地元の学校すでに夏休みに入っていたので、ファミリーやグループでの利用が多く、賑やかでした。
私が乗った日は、定刻通りに出発!
電車が動き出すと、車掌による車内アナウンスが始まりました。
このアナウンスが、よくよく聞くと超爆笑です。
というのも、車内での注意点のアナウンスで、
「お子さんは、椅子の上で飛び跳ねない!」
「奇声をあげない!」
などなど、子供のお行儀に関する注意が多いのなんの、日本のJRならここまで言わないよなぁと思いました。
あと、大人にもお行儀に関する注意。
「車内は禁煙です。電子タバコも噛みタバコも、全部禁止!何処も彼処も禁止です!」
「座っているときは、どうぞ、靴を脱いでおくつろぎください、た・だ・し、トイレやカフェなど、席を立って移動するときは、必ず靴を履いてください。靴下は、靴ではありませんよ~」
そうなんです。アメリカ人って不思議な人たちで、家の中には靴を履いたまま平気で入るのに、ちょっとした移動なら、裸足や靴下で平気で外に出るんです。例えば、ゴミ出しで、家の前まで出るときとか。
読書灯と呼びだしボタン |
空調がムチャクチャ効くので、ブランケットなどを持参するといいかもしれません。
私は持っていなかったので、1階のカフェで、アムトラックのロゴ入りブランケット(10ドル)を購入。
天候も安定していて、スムーズに運航していったものの、途中何度も、徐行・停止を繰り返し、じわりじわりと遅れていきましたが、他社の線路を借りているアムトラックでは、これも通常運転。
遅れに関しては、終点のフォートワースに着くまで、説明も、お詫びも、一切のアナウンスがありませんでした(爆)
オクラホマ州最後の駅、アードモア駅では、タバ休のための少し長めの停車。
この時点で、40分遅れ。
乗客もだれも気にしないでいるし。
駅前公園の汽車 |
そうこうしているうちに、州境のレッドリバーを越えました。ジョン・ウェインの映画「赤い河」の舞台となった、文字通り赤い川です。特にテキサス・オクラホマ州などを数日前に暴風雨が襲ったばかりなので、この日は、本当に赤かったです。
テキサス州に入ると、沿線の風景に牧草地より、建物が増えていきました。
車より遅いアムトラック 汗
そんなわけで、結局、1時間遅れで、終点のフォートワースITC駅に到着。
この路線は、シカゴ方面、またはサンアントニオ方面に向かうアムトラックのテキサス・イーグルに接続しています。
また、DFW空港ターミナルB駅行きのTEXRail、ダラスダウンタウンのユニオン駅行きのTRE、グレイハウンドバス、市内各地を回っているトリニティメトロのバス各路線への乗り換えができます。
ハートランドフライヤーは細々とした運営で、オクラホマ州の援助も受けていますが、テキサス州とオクラホマ州を結ぶ、低価格で大量に旅客を輸送できる手段としては、とても有難い路線です。